遠江の古窯群も尾張・美濃と同様に平安期の灰釉陶を母胎として山茶碗窯へ転化し、碗・皿を主力に一部で壺・瓶を併焼しましたが、ここでは全体像のみを示すにとどめます。
要約(300–500字)
遠江では平安期の灰釉陶窯を基礎に中世の山茶碗窯が広がり、基本は碗・皿の量産で、需要に応じて壺・瓶を補完的に焼成しました。器種・工程の骨格は尾張・美濃の系譜と連動しつつ、地域需要に合わせた小規模な併焼が行われたと考えられます。資料の多くは地域散在であるため、詳細像は他地域との比較研究に委ねられます。
【関連用語】
- 灰釉:遠江中世窯の母胎技術。
- 常滑・渥美・猿投:遠江と交易・技術面で連関した中世古窯圏。
- 瀬戸:中世施釉陶の中心として広域に影響。

