主要産地

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猿投(さなげ)窯の分解と「山茶碗」への転回

平安時代以来、灰釉〔注:木灰を溶剤とする透明系の釉薬〕陶器の一大生産地であった猿投(さなげ)窯は、12世紀初頭に生産圏が三つに分かれ、北方に瀬戸(せと)、南方に常滑(とこなめ)を派生させましたが、そののちも猿投本体は碗(わん)・皿(さら)を...
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猿投窯の中世以降の展開

平安時代に灰釉陶器〔注:木灰を溶剤に用いた釉薬で、飛鳥時代に登場した自然釉〕の一大生産地であった猿投窯は、12世紀初頭に分化し、北方の瀬戸、南方の常滑を生み出しました。瀬戸は灰釉・鉄釉を施した高級陶器の産地として、常滑は大型壺や甕といった日...
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渥美(あつみ)

渥美半島古窯跡群(こようせきぐん)は、瀬戸(せと)・常滑(とこなめ)と並ぶ東海地方の中世大窯業圏として本格的に認識されたのは昭和三十年代後半ですが、その存在自体は早くから知られていました。大正七年には伊良湖(いらご)で東大寺大仏殿再興の瓦窯...
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常滑(とこなめ)

中世の常滑を代表するのは、赤黒い地肌に鮮烈な緑の自然釉(しぜんゆう〔注:薪窯で灰が溶けて自然にガラス化した釉層〕)が流れ落ちる壺(つぼ)や甕(かめ)です。これらを焼いた古窯跡は常滑市を中心に知多半島(ちたはんとう)一帯に広がり、「知多半島古...
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常滑(とこなめ)・渥美(あつみ)・猿投(さなげ)

中世の代表的なやきものと言えば、まず黄緑や黒褐の釉薬を掛け、文様で飾った古瀬戸(こせと)の壺や瓶子(へいし)が思い浮かびますが、その一方で、茶褐の荒々しい肌に濃緑釉が流れ落ちる古常滑や、独特の文様で飾られた渥美の壺・甕(かめ)も同時に想起さ...
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須恵器

須恵器(すえき)は5世紀初頭、朝鮮半島から伝わった製作技術により生まれた灰色の硬質陶器で、平安時代まで約700年間にわたり、土師器(はじき)と並んで日常生活の基本的な容器として広く使われました。須恵器の登場は、大陸由来の器種を含む多彩な容器...
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土師器と黒色土器

土師器(はじき)は弥生式土器の後継であり、原始以来の酸化炎焼成〔注:酸素を多く含む窯の燃焼状態で赤褐色に焼き上がる方法〕によって作られた赤褐色〜黄褐色の素焼土器です。その転換は外来要因ではなく、古墳時代の開始という政治的要因に基づく内在的な...
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土師器と須恵器について

古代とは、統一国家の成立を土台に、欧亜各地で固有の文明が一斉に花開いた時代を指します。やきものの分野では、弥生以来の伝統を継ぐ酸化炎〔注:窯内に酸素が多い燃焼状態で、胎土中の鉄分が酸化し赤色に焼き上がる炎〕による赤い素焼きの土器に加え、還元...
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